繰り返される武力闘争
1962年、ウガンダは四つの王国を内包する連邦国家としてイギリスより独立しました。けれども、政府は各部族からなる連立政権となり、自分の部族に都合のよい国づくりをしようとしたため、政策を巡って対立が続きました。
独立して以来この国には、国民30万人を虐殺するという残虐極まりない独裁政治が続き、絶えず政府と反政府勢力による武力闘争が行われてきたのです。
痛みを通して起きたリバイバル
85年、ジョセフ・コニーは、自らを神の子であると主張。彼には魔術を通して得た幾つもの悪霊からの力がみなぎっており、反政府勢力「LRA(主の抵抗軍)」を結成しました。
彼らは村々の約三万人にも及ぶ子どもたちを次々と拉致していき、拉致された子どもたちは、恐怖心とコニーの霊力によって殺人兵器に仕立て上げられ、自分たちの家族、親類を無残に殺していきました。悲劇は10年にも及びましたが、たくさんの武器を備え訓練を積んだ国防軍の軍事力をもってしても、LRAを制圧することはできませんでした。
激しい苦しみの中でクリスチャンたちは、主に祈ります。しかし状況は好転するどころか、悪化していきます。果てしなく続く戦争に彼らは絶望し、何も変わらない状況が続きました。
人の力が尽きた時、神様が働き始められます。あるクリスチャンたちは偶像礼拝を悔い改め、自分の体からまじないやお守りの品をもぎ取って捨てました。それまで、多くのクリスチャンが土俗宗教の影響を受けてきたのです。拉致被害児童のクリスチャンの親たちは拉致した者たちを赦し始めます。このような大変な痛みを通して、ウガンダにリバイバルが起きたのです。
心の傷は今もなお
現在のウガンダは、人口の80パーセントがクリスチャンです。また、政府は公立学校で聖書を教えることを推奨しています。私たち日本のクリスチャンから見ればうらやましい限りです。しかし、現実はそうではありません。数十年にもわたる内戦により、親や兄弟、そして親類を失った子どもたちが大勢います。彼らは、自分の目の前で親などが虐殺されるのを見ています。心の中にはまだ多くの恐怖と悲しみが残っているのです。
その一方、加害者となって自分たちの家族や親せきの人たちを殺した子どもたちが存在します。家族を殺さなければ、自分が殺されるのです。そのようなやむを得ない理由があったとしても、彼らの心には、生涯消えることのない激しい苦悩と、償い切れない後悔の念とが重くのしかかっています。
人口の半分を占める千五百万人のウガンダの子どもたち。このうちの多くの子どもたちが今もなお、心に問題を抱えているのです。 |